Arc Lantern スタディ Unit1 アークランタンの変遷
古いコールマンを集めていると、最初のランタンであるアークは避けて通れないアイテムであろう。
いざ購入の検討を始めると・・・・・ん? アークって、一つだけじゃなかったの? 何種類かあるの?
この疑問にぶつかる。そして、誰に聞いても、また、必死になってネットを探しまくっても、スッキリする答えは、見つからないと思う。
今は、コレクタブルアイテムとして存在するコールマンであるが、その昔、整理して記録なんか取っていなく、今の自動車のモデルチェンジのようには、直ぐに、また、明確に、その変遷はわからないのだ。
従って、昔のコールマンを好きな
そこで、このスタディでは、アークランタンのモデル変遷に迫るべく、今まで自分が、見て、聞いて、買ってみて、さらに地道に集めた情報をここでつなぎ合わせ整理してみる。
4種類9台のアークを教材に、どこまで迫れるか、わからないが、まずやってみることが大切であり、意味があるのだ。
さあ、これからアークランタンを集めようと思っている、もしくは、さらに購入しようと思っている菌なお方へ送る、アークランタンスタディの始まりである。
【アークランタンの種類と製造期間/出荷台数】
アークランタンは、以下に示すように、4種類存在する。
1.コールマンアーク
コールマンが作り、コールマン自身で販売
1914年1月 - 1925年12月 29,100台
2.サンシャシンアーク
コールマンが作り、サンシャインセーフティで販売(OEM)
1915年7月 - 1916年1月 425台
3.エールアーク
コールマンが作り、エールライトで販売(OEM)
1916年1月 - 1917年5月 2,058台
4.ナショナルアーク
ナショナルスタンプが作り、サンシャインセーフティで販売(OEM)
コールマンが関わっていないアークであり、最近その事実が判明した。
記録は残っていないが、おそらく1915-1920年の間の1−2年、
現存数台から推測して、500台前後の製造
以上を頭に入れ、以下の変遷を見ていく。
【アークランタンの変遷】
#1.Coleman Arc lantern Model L 1914年 前半の数ヶ月
これが一番最初のアークランタンである。
写真は、1913年12月の広告からで、No.316の記述すらない。
特徴は、蝶々型ボールナット。この#1のモデルのみ、この蝶々型がつく。
あと、バーナーフレームはハローワイヤーに似せた角丸の作りであり、#2のモデルを以て消えていく。
実物の写真はテリーさんのホームページの一番上の左側にある。
テリーさんは、エールアークと紹介しているが、これは私の意見と違うところ。
私はこれをコールマンの一番最初のモデルと見ている。

#2.Coleman Arc lantern Model L 1914年 前半の数ヶ月
短命な#1の直後のモデルで、これもまた短命。その違いは、ボールナットだけ。

写真提供 : 外人
この#2は、#1モデルのボールナットを誰かが交換した固有のものと思っていたが、下の1914年のカタログでしっかりと確認できた。このボールナットも変わったのだ。

#3.Coleman Arc lantern Model L or L316
1914年中頃 - 1915年
メッキバージョンの登場。
バーナーフレームは上記の角丸から角々の形状へ、さらにジェネレータも六角ジャムナットで固定するタイプに変わった。
また、1915年のどこかでモデル名に"316"と付く。
写真のタンクは地肌が見えますが、メッキされています。

#4.Coleman Arc lantern Model L316 1915年 - 1920年頃まで
アーク発売後、一年ちょっとで、本体に大きな改良が加えられる。
これがそのアークだ。
上から
1)ドームベンチのトップ構造の強化、および、部品点数の減
2)ベールの材質変更(真鍮 → 鉄)、および、形状変更
3)カラーの変更(一列穴 → 3列穴)、および、ロゴの刻印
このモデルは、アークの中で安定期にあり、現存で多く見るタイプである。
*写真でジェネ下部にプレヒートカップあるが、私が後付けしているのであって、当時のオリジナルではない。


#5.Sunshine Arc lantern 1915年7月 - 1916年1月
ここで初めてOEMのサンシャインセーフティモデルが登場する。
#4のモデルとの違いは、ベイルの形状(#3までの初期タイプと同型の鉄製)とカラー3つ穴のピッチだ。
また、カラーには専用のロゴも刻印されている。
参考までに、出荷台数は、425台と、大変貴重なモデルである。


#6.Yale Arc lantern 1916年1月 - 1917年5月
このエールアークもサンシャシン同様に、2,058台と出荷台数が少ない。
ところで、この個体、エールアークと証明するハーブさんの鑑定書付きだが、私は、どうも納得できていない。
理由は、時期的に#4の変更点を引き継いでもよいのだが一切ないのだ。
一旦生産を終了した#3をわざわざ復活させている。継続生産ならまだわかるが、これはどう考えてもおかしい。
思うに、コールマンアークとエールアークの外見上の違いはなかったと一人考えている。
(#3のコールマンアークからメッキをなくせば、あとは全く同じの両モデル)
つまり、このアークは、#3の時代から存在するコールマンアークでもあり、エールアークでもあるのだ。
本場米国では、エールアークと特定する判断材料は、一列穴のカラーだそうだ。理由は当時エールのカタログに一列穴のアークが載っていたから。
うーーん、超簡単すぎ〜、ちょっと、チョット、チョット、ですね。
コールマンのカタログにも一列穴のカラーを多く見る。私の解釈は、エールのカタログが、単にコールマンをコピーしただけと思うのだが。

#7.Sunshine Arc Lantern, made by National Stamping
1915-1920年の間の1-2年
このアークは、緑本(コールマンコレクターズガイドブック)の表紙、およびカラー写真のページで、「コールマンアークL316」と紹介されている。緑本発売当初の1996年頃は、このアークはコールマンアークと認識されていたのだ。
(イラストのページでは、"本当"のコールマンアークが載っており、この相違点に気づかれて方はいると思うが、どうでしょうか?)
その後、1999年のICCC会報誌で、L316ではなく、コールマンが作ったサンシャシンアークと訂正され、その認識がつい一年前の2008年まで続いた。
しかし、このアーク、バーナーチューブひとつとっても、当時のコールマンと共通する部品は何一つなく、疑問視する少数の声はあった。
そして、昨年、やっと本場米国のコレクターの間で、ナショナル社が作ったとの認識が広がり、現在に至る。
生産記録は残っていないが、おそらく1915-1920年の間の1-2年の期間、現存数台から推測して、500台前後の製造と私は見ている。
このアークは、同じナショナル社が同時期に作ったモデル10というトーチランプの部品を多く流用しており、例えば、チップクリーナーステムは、モデル10そのまんまである。
また、鉄製の部品も多い。例えば、ドームベンチやバーナーのミキシングチャンバーは鉄製である。

#8 Coleman Arc Lantern Model IV316 1920年頃 - 1925年まで
このアークの特徴として、
1)燃料ダイヤルの棒が今までのモデルと比べ長い。
2)ファイバー製のダイヤルや燃料キャップは、当時のクイックライトと同じデザインとなる。
尚、キャップは同じデザインであるが、サイズが一回り大きいため、クイックライトとの
互換はない。
3)カラーもクイックライト同じ材質の(ブラスメッキから)鉄メッキとなる。
4)インナーチムニー(玉の中でバーナー上部を覆い隠す断熱材)の材質も、今までの
真鍮から鉄に変更される。
1920年代、トーチの全盛は終わり、クイックライトの影響(デザインや材質)を受けているのが良く分かる。
参考までに、下の写真アークは、1999年のICCCの第一回目の会報誌の中で、アーク特集として、実際に(新聞で言う一面に)取り上げられた記念のアークである。

写真提供 : 菌玉病患者1号さま
#9 Coleman Arc Lantern Model HV316 (or IV416)
1920年頃 - 1925年まで
上記のIV316とほぼ並行して生産されたアークで、特徴は同じ。
唯一の違いは、さらにドームベンチが鉄製であること。
1920年代は、クイックライトの時代であり、トーチ時代と比べ、製造コスト低減の考え方が出てきた時代でもあり、おそらく廉価品として作られたと理解している。
HV316というモデルは、ベッカーレコードになく、その代わり(?)として、IV416があり、呼び名の違いで、同モデルと判断したため、カッコ付きで表示した。

写真提供 : 菌玉病患者2号さま
以上、アークの変遷は、私の持論ですが、こんな感じだったと考えます。
今後、新しい事実が判明したり、未知のモデルが出土した場合、適宜、加筆や訂正をしたいと思っています。
おわり
おっと言い忘れたが、コールマン病院では、寝ても覚めても頭からアークが離れない症状を、菌玉病と呼んでいる。
症状がある方は、手をあげてください!!




























